同人じゃないけど、お泊りネタということでご勘弁を。

わたしがまだ大学生だった頃の、とても寒い冬のある日。
大学の知り合いで８OGに住んでいるO（仮名、♂）から、
「ウチに泊まりに来なよ」
とお誘いがあったので、お言葉に甘えることにしました。
で、当日。
学校の用事やらなんやらで遅くなってしまい、Oの家に到着したのは午前0時近く。
Oは自宅住まいなのであまり遅くなってはいけないと思い、
「こんな時間にお邪魔しても、大丈夫なの？」
と聞くと、Oは
「あー、大丈夫だよ」
とあっさりとお返事。
まぁちょっと心配ではあったけど、本人がいいと言ってるんだからいいんだろうと、
結局お邪魔することに。
ところがいざお邪魔する段になって、
「あ、クルマを停められる場所がないから…」
ってことで、なぜかOの友人宅の前に路上駐車をして、5分ほど歩いてO宅へ。
さて、O宅に到着し、Oはこそこそとドアを開けて、わたしを招き入れました。
ドアを開けながらOは、「静かにね」と一言。
確かにこんなに夜遅くお邪魔してしまっているので、それは至極当然だと思い、2階にあるOの部屋まで、まるで空き巣のような歩き方で階段を登りました。
Oの部屋に着くと、電灯をつけながらOは、
「家族に他人を泊めてるの知られると、あとでうるさくて…」
と、悪びれる風でもなく言ってのけました。
…はぁ？
それならなぜお泊りに誘う？
それを聞こうと思って口を開こうとする矢先、またもやO、
「だから、部屋から出ないでね」
とのたまってくれました。
軟禁決定。

すみません、続いていいですか？

223 名前：鴨 投稿日：2000/10/11(水) 15:41

では、続けさせていただきます。>>222さん

（2/4）

あまりに唐突にそんな素晴らしいお達しが下されて呆然としているわたしを気にもせず、
Oはわたしにイスを勧めました
イスと言っても、学習机と一緒についてくるイようなスなので、長い時間座るのには向きません。
とりあえずイスに座って、他愛のないことを5分くらい話したら、
「じゃぁ、寝ようか」
と、Oはさっさと寝間着に着替え始めます。
えぇぇ？　もう寝るっスか？
深夜トークとか酒飲んで盛り上がりとかないっスか？
そんなことを考えているわたしのことなんかまったく気にせず、Oは黙々と寝間着に着替えてしまいます。
しかしまぁ、夜も遅いし、Oも気を遣ってくれているのだろうと思うことにして、わたしも寝ることにしました。
とはいっても、お呼ばれされたわたしは、何もすること（できること）もなく、
ただぽけーっとイスに座っていました。
すると着替えの終わったOは、
「じゃぁ、どこで寝る？」
とわたしに聞いてきました。
部屋を見回すと、寝具はOが普段使っているベッドがひとつ。
足元は、踏み場はあっても人一人が横になるスペースはほとんどない床。
ベッドで寝るか、イスで寝るか。
なんとも極端な二者択一です。
できればベッドで寝たいなぁ、という気持ちはありましたが、わたしはお呼ばれされた身、わがままは申せません。
するとOは思い出したように、
「あ、ベッドで寝る？」
と言ってくれました。
で、わたしが「じゃぁ、お言葉に甘えて…」
と言おうとした瞬間、Oは
「布団も枕もこのままだけど」
と付け加えてくれました。
気持ちはありがたいけど、本人が使用しているそのままの布団と枕はご遠慮願いたいです。
だったらイスで寝た方がはるかにマシです。
「…いいよ、あなたがベッドで」
そうわたしが断るとOは、
「あ、そう」
と即答して、さっさと布団にもぐりこんでしまいました。

待て次号！

225 名前：鴨 投稿日：2000/10/11(水) 15:46

さらに続きます
しかも一回延びてしまいました

(3/5)

さぁ、もうOは布団にもぐりこんで寝る体勢です。
しかしそこでわたしは気づきました。
Oは寝間着を着て、布団にもぐりこんでしまっていても、わたしには何もナシ。
寝間着を出してくれるわけでなし、羽織る毛布を出してくれるでもなし。
「…あの、寝間着とか毛布とかは…？」
わたしが聞くと、Oは涼しい顔で
「お客さん用の、ないんだ」
と言ってくれやがりました。
普段着で寝ろと？　ジャンパー一枚羽織って寝ろと？
ここで強硬に抗議すればよかったのですが、ここでもOのご家族のことを考えてしまい、黙ってしまうわたしもバカ…
そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか、Oは「じゃぁ、お休み」と言いながらさっさと電灯を消して、あろうことか今までつけていたファンヒーターのスイッチを切ってしまいました。
「え？　止めるの？」
さすがに抗議の声をあげると、Oは全然悪びれた風もなく、
「だって、ファンヒーターの音、響くから」
と答えてくれました。
そんなに家族に迷惑をかけるのがいやなのか、O？
だったらなぜ呼ぶ？
これは新手のいじめか？
そんなことを自問自答しながら、山ほど言いたいことはあるけど、それを飲み込んで「家主」のOに従いました。
学習机のおまけイスにジャンパー一枚スリッパなし。
ついでに暖房もなし。
そんな状態でわたしは８OGの一夜を過ごすことになりました…

また続きます。

226 名前：鴨 投稿日：2000/10/11(水) 15:47

あ、申し遅れましたが、わたしは♂です>>224

(4/5)

さて、電気もストーブも消えた部屋。
Oはあっという間に熟睡してしまい、それはもう安らかな寝息が聞こえてきます。
一方わたしはジャンパーにくるまって、座り心地のあまり良くないイスに丸くなっていました。
当然眠気なんか完全にすっ飛んでしまいました。
仕方がないので手持ちのウオークマンで、ラジオ放送を聞くことにしました。
それにイヤホンしてたら、Oの憎らしいまでの安らかな寝息も聞かないで済むし。
文句は明日の朝にたくさんぶちまけてやると固く心に誓いながら、ラジオを聞いていました。
しかししばらくしたら、ウオークマンの電池が切れて、ラジオが聞けなくなってしまいました。
時計を見ると午前3時。
夜明けまであと何時間あるんだよぅ…
ジャンパー一枚で丸くなったまま、奥歯をがたがた言わせながら、寝るでも起きるでもなくしながら、朝までの時間を過ごしました。
その時はじめて、寒さも度を超すと痛いということを体験できました。
それでもなんとか無事に朝を迎えられたときは、本当に助かった気持ちになりました。
少しでも日があたりさえすれば、体があったまりますから。
わずかな日差しでカラダをあっためていると、やがてOが目を覚ましました。
殺意を覚えるほどにすがすがしい顔で、Oは
「よく寝れた？」
と聞いてきやがりました。
「寒くて全然寝られなかったよ」
思わず本音が出てしまいましたが、Oは全然それを気にせず、
「だろうねー。　だってオレだって寒くて一度目が覚めたもん」
と言ってのけました。
だったらそこで少しは気ィ遣わんか！
朝から怒鳴るのもアレなので、とりあえず黙ってました。
するとOはベッドから抜け出し、
「じゃぁ、ちょっと朝ゴハン食べてくる」
と言い、とっとと部屋を出て行ってしまいました。
もちろんわたしはOのご家族に内緒で泊まっているので、外出禁止です。
わたしは心に固く誓いました。
…いつか絶対殺す。

229 名前：鴨 投稿日：2000/10/11(水) 15:51

やっと完結です。
くだらないネタだけど、もう少しご辛抱ください。


しばらくして食事を終えたOが戻ってきました。
もちろん、わたしの朝ゴハンなんかありません。
もうコイツには何を言ってもムダだと悟ったので、朝ゴハンごときの小さいことで文句をいうのはやめました。
部屋に入るとOは、
「まだ他に家族がいるから、みんなが出かけるまであと２時間くらい待ってて」
とのたまいました。
もうどうにでもしてください、な心境です。
結局ご主人様のいい付けどおり、2時間待ったら他のご家族も出かけて、軟禁令も解除されました。
「お待たせ」の一言もなく、わたしは部屋から出ることを許されました。
下に降りると既にご家族はみなさんお出かけのようで、家は誰もいませんでした。
…ここで火をつけたら、体があったまるだろうなぁ…
などと考えていると、Oはわたしを居間に通してくれました。
するとそこにはコタツが置いてありました。
「…ごめん、コタツ借りていい？」
思わずわたしは聞いてしまいました。
Oは二つ返事で承諾してくれたので、コタツにもぐりこむと、
行儀が悪いのを覚悟の上で横になりました。
次の瞬間、意識寸断。
気が付いたら、どうやら2時間くらい経っていたようです。
見回すとOは、黙々と身支度を始めていました。
わたしが体を起こすと、Oもそれに気づいて、
「よく寝てたねー」
と、感心した口調で言いました。
「おかげさまで、ぐっすりと寝られたよ」
思わず皮肉が飛び出しますが、Oは少しもそれに気づかず、
「じゃぁ、そろそろ行こうか」
と、大学に行く準備を整えています。
寝起きで半分ボケた頭で生返事をして、Oに従って出かける準備を始めます。
さて、貴重な一夜を体験させてもらった家を後にして、昨夜クルマを止めた場所まで行くと、
一晩置いておいた車は、見事に氷で化粧されていました。
きれいでしたねー、あれは。
で、大学に向かうクルマの中、Oはさらっと明るく言ってくれました。
「昨夜、この冬一番の冷え込みだったんだって」
このときほど、自分の健康なカラダに感謝したことはありませんでした。
健康バンザイ！

Ｏよ、最後に一言だけ言っておく。
因果応報だぞ、待ってれ！

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

231 名前：名無しさん＠どーでもいいことだが。 投稿日：2000/10/11(水) 15:55

>>226
しかし、はっきり言えないお前さんにも問題あるぞ。
っつーか、常識や本音をぶつけられないような奴の
ところに泊まるなよ。男ならなおさら。

233 名前：鴨 投稿日：2000/10/11(水) 15:59

>>231
や、ホントにおっしゃるとおりです。
ヘタに仏心を起こしちゃったわたしにも問題があると思うんですよ。
今だったら遠慮なくお説教します（つーか、コイツは今でも似たことをやってくれるので、そのたびにしてますが）
これはいい体験になりましたよ、負け惜しみでなく。

255 名前：鴨 投稿日：2000/10/11(水) 17:42

＞草加
ふむ、わたしの周りにも草加さんは結構いるんですが、みんな話せばわかってくれるので、本当に助かります。
とりあえず選挙のときに投票は頼まれますけど。

>>232さん
実は今はもう、Ｏを友達扱いしてないんですよ。
「単なる情報源」程度の扱い。
冷たいやねぇ…
まぁ、この一件だけが原因じゃないけど。
しかも本人、それに全然気づいてないのがイタいというかなんと言うか。

>>247=222さん

あぁぁ、わたしだけじゃなかったんですね＜軟禁
同士発見で、うれしいやら悲しいやら…

>しかしＯさんは220さんをお泊りに呼んで一体何がしたかったんだろう？ 謎だ。

んー、はっきり言ってよくわからないです。　ホントに謎です。
Ｏは変なベクトルで気を遣ってくれるところがあるんで、
「夜遅くなったから、泊まってってもらいたい」
と純粋に考えたのでしょう、きっと。
気を遣ってくれるのはうれしいんですけど、せめて根回しくらいはしていただきたいと。

>>253さん
説明が少し足りなかったですね。
その日は学校帰り直行だったので、寝間着を持っていくどころじゃなかったんです。
お泊りに行くと言っても、ほとんど突然「泊まりに来なさい」状態だったんで…

無計画な自分にちょっとすさみ（あ、スレ違い）

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