長いですけど書いてもよろしいでしょうか？

483 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 05:59

小学校のときからの友達のＫが、
コミケ前にウチに泊めてほしいと頼んできたんです。
ウチは会場へ１時間以内の範囲に一人暮しなため、
交通の便を図ってのことだとはすぐにわかりました。
仲の良かった彼女一人なら喜んで、と即答できたのですが、
私が遠ざけたＭも一緒に、と頼まれたのです。
Ｍとは高校の時の後輩なのですが、教室の中で願堕夢翼の
萌えキャラの名前を大声で叫び、彼の乗る機体の名前も連呼しては
机を叩いて大喜びしているような子でした。
それでも数年経った今、少しくらいは成長しているかと思い、
コピー本の手伝いをしてくれることを条件に了解することに。
２人とも夕飯は食べてから来るということだったので、
ウチの最寄駅には２２：００頃にやってくるという予定でした。
こちらは時間どおりに迎えに行ったのですが、３０分を過ぎても
姿をあらわさない彼女達に、何か起こったのかと不安になっていると
大きな荷物を担いだ２人が登場。
高校を卒業してからまともに会うのは久しぶりで、
少しは再会を祝えるかと思っていたらついたとたんに一言、
「おなかすいた」
ご飯食べてきたんじゃないの？　ときくと、
Ｋの家で衣装を作っていて、２人とも食べるひまがなかったという話し。
私としては早くコピー本の仕上げをしたかったので、
ファミレスに行っていたら時間がかかってしまうので近くのコンビニへ。
そこでは習慣飛翔を片手に、すっかりＭと渡り合えるようになった
Ｋの姿を確認することができました。
成長はＭではなく、厨房化したＫに現れていたようです。
１人ならともかく、２人の厨…。

続きます

485 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:04

へこみつつ家に着いた時には２人ともお邪魔します、
の言葉もなくずかずかと部屋の中に行き、
勝手に私のプレステの電源を入れています。
ゲームじゃなくて、コピー本の手伝いは？
「ちょっとだけ、ちょっとだけー。いいじゃん、○○様に会わせてよ〜〜〜」
そして画面には「張る可なる〜」の映像が現れ、
エンドレスでムービーを流してはそのキャラが出てくるたびに叫ぶ叫ぶ。
喜んでもいいけど騒がないで、とお願いしても
「○○様のこと見たらこうなっちゃうのが当たり前でしょ？
　なんでそうならないの？」
だって私は自分のコピー本があるって言ったじゃない…。
仕事で疲れているのにもかかわらず、こつこつと書き溜めてきた本のほうが、
しらないキャラより大事です。
ひとまず興味がないから、というとそれは地雷だったようです。
とたんに２人の顔色が変わり、その○○様についての魅力を
サラウンドスピーカー状態で語られ始めました。
ゲーム中でのこの姿がとてもいとおしいだの、凛々しいだの
そんなこと言われても興味ないのに…。
しまいには荷物の中からなぜか同人誌を取り出し、その中の何冊かを読め！
と命令され、いや、でもコピー本…と思ったのですが
２人に睨まれて製本なんてできる雰囲気ではありません。
ひとまず読んでおけばいいかと思い、ぱらぱらと見始めたのですが
やっぱり興味がわきません（好きな方、ごめんなさいです）
たしかにかっこいいよね、と適当に返しておいたところ、
「でしょでしょ？　やっぱり私の好きな○○様だもんね！
　あ、でも■■には渡さないよ？」
などとまあ、少女小説のようなお話しをされてめまいが…。
それに渡されても困ります。

まだ続きます

486 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:06

そして同人誌を取り出した彼女らは、ゲームから萌え同人誌の話に移動。
コピーした原稿を折ってね、とお願いしたところ
しゃべるばかりで手が動きません。
徹夜でもすれば一人で製本は終わりますが、夏のコミケで
そんな恐ろしいことはしたくありません。
せめて３時間でもいいから眠りたいと思っていたのですが、
彼女達のだめっぷりにいらいら。
しかし下手に怒って逆ギレされ、さらなる騒音になるのは避けたいので
ひたすら一人で手を動かす時間が過ぎました。
泊めるんじゃなかったと後悔の渦です。
そして夜中の３時ごろだったでしょうか。
静かになるので私の持っている漫画、同人誌を読み漁らせていたＭが、
「そうだ、わっすれてた！」
と叫んで荷物を引っ掻き回し始めました。
それにつられてＫも慌てて何かを取り出し始めます。
さっきのゲームキャラのコスプレ衣装らしいのですが…
袖とか裾とかついてないのはどういうことなのでしょう。
「■■、裁縫得意だったよね」
見たくないのに２人分の笑顔。

さらに続きます

488 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:10

裁縫が得意というよりも、昔はコスプレをしていたので、
いくつか衣装を作ったことがあるだけです。
もう本を作ることに走り、コスプレしつつもメイン活動は同人誌。
裁縫はここしばらくやってません。
「得意っていうか、なんとか自分でやっていただけで…」
このままでは手伝されるのは目に見えています。
なんとかしてもう時間もないコピー本のことを伝えると、
「じゃあ本作っといてあげるからこれ縫って」
でもコス衣装って、自分で作って充実感があるものじゃないの？
それが愛情あるキャラならなおさら…と言っても彼女達には通じません。
「だって下手な衣装で○○様やりたくないもん、ねー♪」
でもこっちは愛情もないキャラの衣装、縫いたくもないんですけど…。
そうしている間にも、とりあえず彼女達は製本をはじめてくれています。
本に手を出そうとすると、
「いーのいーの、こっちはやるから、お、ね、が、い♪　■■だいすき！」
というばかりです。
裁縫道具、実はどっかやっちゃったんだけど…とごまかしてみると
荷物からは、裁縫道具一式がでてくるではありませんか。
その用意周到さを、なぜ衣装製作に向けないのか…。
仕方なく縫い始めたのですが、着物なんて作ったことないので
勝手がわかりません。
とりあえず外れなければいいかと、ぼろに見えないように
ある程度の手抜きをしてみても間に合いそうにありません。
仕方がないので手っ取り早くごまかそうと、自分の道具を押入れから探し出して
細工をはじめます。そのときに昔私が作った衣装も出てきてしまい、
「やだーなっつかしーーー！　こんなのきてたよねー！」
…こんなの？　人の作ったものをこんなの呼ばわり？
カチンと来たのですが、とにかくこの衣装だけでもなんとかして眠るんだ、
と決意して彼女達のことは無視。
きゃいきゃいと騒ぐ彼女達に、本のことをきくと全部終わったとのこと。
多少の折りずれはあるものの、とりあえず製本は終わったらしいので
少しだけほっとして衣装の仕上げを。
製本が終わったから手伝う、などとは一言も言わずに、
彼女達はまたゲームをはじめて喜んでいました。

えと、続きます

489 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:11

>>487
すみません、もっとみじかくしますね

491 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:13

なんとか仕上げ、アイロンをかけ終わると、外では新聞配達の音が。
予定ではあと３時間後に出発なので、
予定睡眠時間を下回りますが寝ないよりはまし、
とゲームを続けたい２人と眠りにつく事にしました。
ですが、仕上がった衣装にさらにはしゃぐ２人。
なんでもいいから寝ようと言ったのですが、
何を考えたか２人ともアイロンをかけた衣装を着始め、
「これで寝たら○○様の夢、見られるかも〜〜〜♪」
などとのたまって布団に横たわる始末。
せっかくきれいにアイロンがけしたのに…。
でもここで怒ってもどうにもならないので、
とにかく明かりを消して就寝。
２人は修学旅行生のようにいつまでたっても寝つかず、
それにたいしてイライラが募る一方。
うとうとしかけたときにはしゃべり声で目がさめ、
最悪のコンディションで朝を迎えました。

もうちょっと続きます

492 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:16

朝も興奮している２人を押さえられません。
ひたすら準備を進めている私は、
２人の行動を監視することなんか出来ませんでした。
とりあえず騒ぐのは仕方のないことだとあきらめ、
うるさいのを隣にならべて早々と駅へ行きはじめたところ、
Ｋの何気ない一言で足が止まりました。
「チケット、あまってるんでしょ？　くれるよね？」
…あまってません。
売り子ちゃんに渡しているので、彼女達の分はないのです。
ところがサークルは私一人だけと思いこんでいた彼女らは、
３枚あるチケットは２枚余るので当然自分達にだと思っていたようで
ふたたび道端でごねはじめました。
けれどもないものはないので、何とか説得しようとしたところ
ふと２人の足元をみてびっくり。
「あの、そのミュールは…？」
すごく見覚えのあるミュールがＭの足に。
お気に入りのスニーカーがＫの足に、
それぞれ装着されているではないですか！

493 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:19

「かわいかったからはいてきた。いっぱい靴あったからいいでしょ」
まったくよくない！
しかもミュールは彼（やっぱりオタク）からプレゼントされたもの！
それどころではないと思いますが、そのミュールは
Ｍの格好にはめちゃくちゃ似合わないモノです。
黒いよれっとしたシャツに伊藤よーかどーで買ったような、
足首にかけて細くなっていくジーンズ。なんてあんまりな組み合わせ！
さすがにこれにはガマンできず、二人の腕を強引に引っ張って家に帰り、
玄関で怒鳴りながらもとの靴に履きかえさせ、ついでに荷物検査も。
そうしたらでてくるわでてくるわ。
もとより大きな荷物だったので気にしなかったのですが、
私の持っている本やＣＤがばらばらと。
それと深夜に出してきた昔の衣装まで。
こんなのと言っていたわりに持っていくのはどういうことかときくと、
ヤフオクで売ってあげるつもりだったと言うコメント。
着ないなら捨てるより売ったほうがいいじゃんなどとまあ良く言えたもんです。
もちろん私はその場で絶交宣言。
どうやら翌日のためにも泊まる予定だったらしいのですが、
窃盗を正当化しようとする輩を止める筋合いはありません。
目的地は同じなので一緒に行ったのですが、
その間私は一言も口を利かず、なんとかして誤魔化そうとする
２人の言い訳を聞きもしませんでした。
そして逆ギレした彼女達は、バカだの最低だの
手伝ってやったのになどといいながら私の前から立ち去っていきました。

495 名前：４８１投稿日：2000/12/02(土) 06:20

それ以降、彼女達から連絡はありません。
他の共通の友人達に、■■は人の親切を無駄にするとか、
ちょっと借りるだけなのに駄目って言うケチだのとふれまわったそうです。
救いは彼女達の厨っぷりを知っている友人達は、
それを話半分にも聞かなかったということですね。
久しぶりに会う友人には気を付けたほうがいいんだとしみじみ思いました。
でもなによりも、最後の最後でしか怒れなかった自分がふがいないですね…。

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